1: 以下、名無しにかわりまして裏島哲郎がお送りします:2004/04/04(日) 04:44:44.44 id:Ur4Ma6T
ある町の骨董屋。
店に並べられている骨董品の中に、一挺のバイオリンがあった。
ある日、店に1人の少年がやって来ると、店の主人に「あのバイオリン、いくらですか?」と尋ねた。
主人が値段を言うと、少年は「・・・全然足りないや」と、うつむいてがっかりした様子だったが、顔を上げて、「お金持って、また来ます」と言って帰って行った。
数日後、主人は少年が新聞配達のバイトを始めたことを偶然知る。
少年は、その体には大きすぎる自転車に新聞を積んで坂道を登っていた。
一生懸命ペダルを漕ぐ少年の姿を、主人はじっと見つめていた。
それからしばらく経ったある日。
主人がいつものように店番をしていると、身なりのいい男性が店を訪れた。
男性は店の中の骨董を色々と眺めていたが、バイオリンに目を留めると、主人に向かって「あれはいくらかな?」と訊ねてきた。
主人が「いえ、あのバイオリンは・・・」と口ごもると、男性は、「なんだ、売り物じゃないのかい。しかし、私はあれが気に入ったんだ。これでどうだろうか。ぜひ譲って欲しい」と、バイオリンの値段の何倍もの額のお金を取り出し、主人の前に置いた。
主人は思いがけない金額を前にして、少しの間考えていたが、やがて、「申し訳ありません。やはり、お売りするわけにはいきません」と男性に告げた。
「やっぱりダメか。残念だが、仕方ないな」
そう言うと男性は帰って行った。
それから数ヵ月後。
「あのバイオリン、まだありますか?!」
新聞配達で貯めたお金を持って、あの少年が店にやってきた。
しかし、店の中にバイオリンは見当たらない。
男の子がキョロキョロと店内を探していると、
「待ってたよ!」
主人は男の子に微笑みかけ、あの日以来、誰にも買われないように奥の棚にしまっておいたバイオリンを持ってくると、少年の前に差し出した。
パッと笑顔になった少年が目をキラキラさせて、バイオリンを手にしようとした、その時。
「バキンッ!」
主人の手がバイオリンをへし折った。
呆然としている少年に向かって、主人は嬉しそうに一言。
「これが私の楽しみ」

ただのクソ野郎じゃないか
途中まで良い話かと思ってたわ!
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