夏子は夜遅く、映画を見るのが習慣になっていた。その夜も、ホラー映画を一人で楽しんでいた。映画のクライマックスシーンで、突然テレビ画面に人影が映り込んだ。まさかと思い、夏子はテレビの画面を凝視したが、影は確かにそこにあった。
「誰かが部屋の中にいるの?」そう思って立ち上がり、部屋中を探したが、誰もいない。恐怖に駆られながらも、再びソファに戻り、映画を再生した。だが、今度はその影が彼女のすぐ隣に映り込んでいた。
心臓が凍りつくような恐怖を感じた夏子は、テレビの電源を切ろうとリモコンを探したが、見つからなかった。そして、突然テレビが勝手に消え、部屋は真っ暗になった。暗闇の中で、彼女は何かが自分のそばにいる感覚をはっきりと感じた。
「誰かいるの…?」震える声で問いかけたが、返事はなかった。ただ、耳元で冷たい息遣いが聞こえた。その瞬間、彼女は逃げ出すように部屋を飛び出したが、外には何も異常が見当たらなかった。恐怖に駆られた夏子はその夜、友人の家に泊まることにしたが、次の日家に戻ったとき、テレビには誰かが彼女の隣で微笑んでいる映像が静かに流れていた。
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