親戚のおばさんの奇妙な話

ヒトコワ

223: 本当にあった怖い名無し:2016/08/18(木) 22:10:15.45 ID

大学の夏休み中、お盆の時期に親戚が集まるイベントがあった。集まったのは実家近くの親戚のおばさんの家で、普段は滅多に会わない親戚たちが一堂に会する年に一度の大イベントだった。おばさんは50代で、昔からとても温かくて話好きな人だった。そんなおばさんが、今回の集まりで一つの奇妙な話をしてくれた。

おばさんが話し始めたのは、彼女が若かった頃の故郷の話だった。おばさんは、昔からその集落には不思議なことが多かったと語った。家族や村人たちはそれが普通だと思っていたが、外から来た人にはとても異様に感じられることが多かったという。特に彼女が話し始めたのは、古びた祠にまつわる奇妙な話だった。

224: 本当にあった怖い名無し:2016/08/18(木) 22:20:15.45 ID

おばさんによると、彼女が子供のころ、集落の近くには古びた祠があった。その祠は山の奥深くにあり、誰も近づこうとしなかった。昔から「祠に近づいた者には不幸が訪れる」と言われており、家族や村人たちはその言い伝えを信じていた。しかし、おばさんの家族はその祠の近くに住んでいたため、言い伝えを知りつつも暮らしていた。

おばさんは続けた。「ある年、私の親戚の中に、村の外から来た人がいたの。彼は興味本位でその祠を見に行こうとしたの。でも、どうしても行くのをやめたほうがいいってみんなに言われていたのに、彼はどうしても行きたがったの」と、少し悲しそうな表情で話した。

225: 本当にあった怖い名無し:2016/08/18(木) 22:30:15.45 ID

その親戚が祠に近づいたのは、ある雨の夜だった。雷が鳴り響き、激しい雨が降り続いていた。親戚は「不幸なんて信じていないから」と言いながら、祠の前に立ってしまった。帰ってきたとき、彼の顔は青白く、目には恐怖の色が浮かんでいた。家族は彼が何を見たのか尋ねたが、彼は何も答えようとしなかった。その夜から彼は次第におかしくなり、突然怒り出したり、泣きわめいたりするようになった。

村の長老に相談したが、長老たちは「彼は祠で何かを見たのだろう」とだけ言った。その後、親戚は村を離れ、どこに行ったのかもわからなくなった。おばさんは、その親戚が何を見たのか、またその後どうなったのか、いまだにわからないと言った。

226: 本当にあった怖い名無し:2016/08/18(木) 22:45:30.45 ID

おばさんの話が進むにつれて、集まりの雰囲気が次第に重くなっていった。おばさんは話の締めくくりとして、「私たちの家族には、祠に近づく者は誰もいないようにと、親から言い伝えられていたの。でも、私が子供のころに家族の誰かがその場所を訪れたらしいのよ」と語った。家族の誰がその場所を訪れたのかはわからないが、その後も祠の話は村で語り継がれていた。

数日後、おばさんの家を訪れると、彼女は以前とは違っていた。温かい笑顔は消え、どこか憔悴しているように見えた。彼女は「最近、またあの祠の話を思い出してしまうの。どうしてもあの影が私を追いかけてくる気がして…」と語った。誰もが気にしていたが、どうすることもできず、ただ見守るしかなかった。

おばさんの家の周りで起きる奇妙な出来事や、彼女の変わりようは、家族全体に不安をもたらしていた。今では、その集落や祠に近づく者はほとんどいない。あの古びた祠の真実が何なのか、未だに誰も知る由もない。おばさんの話を聞いた後も、その不気味さが頭から離れないままだ。

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