先輩は”狐に憑かれている”家系だった→ある時病院に入院していると、頭部を損傷した見知らぬ女が浮いており…目をつぶると今度はその女に車椅子を押されていて…

1: 以下、名無しにかわりまして裏島哲郎がお送りします:2004/04/04(日) 04:44:44.44 id:Ur4Ma6T

自分、幽霊なめてた。

世にも不思議なお話を投稿させてもらいます。

今回のお話は私の先輩に起こった実話です。

この話は私自身、あまり人に話すことは拒んでいた話です……。

先輩の一族は”狐に憑かれている”家系だと言うことでした。

狐を祓うため、何度か霊媒師にお願いをしたそうですが、
頼まれた霊媒師達もやばいと思うほど強い霊だそうで、
未だ彼の一族は狐に憑かれたままだそうです。

今回の話は、それと関係があるのかは分かりませんが、
彼の身に起きた不可解な出来事のひとつです。

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彼が小学校4年生のころ、自転車に乗っているとき交通事故に遭いました。

直ぐさま彼は市内の○立病院へと運ばれました。

辛うじて一命は取り留めたものの、両足を複雑骨折、内臓損傷など大怪我を負いました。

彼は、そのまま入院することとなりました。

入院して、数日が過ぎた頃の話です。病室で彼は病室で眠りにつこうとしていました。

一時の様態からは立ち直った彼ですが、両足は動かず、
未だ点滴などでベットからは起きられる状態ではありませんでした。

うつらうつらとしている彼の耳元で、付き添いで来ていた母親が

 「ポカリスエット買ってくるね。」

と言ってベットの周りにあるカーテンを締めて出ていきました。

…しばらくして彼は人の気配を感じ目を覚ましました。

「お母さんが帰ってきたんだな」

と、彼は目を閉じたままそう思いました。

しかし、いつまで経ってもベットの周りのカーテンを開けて母親が入ってくる気配がありません。

彼は、うっすらと眼を開けました。

テレビの台の上にはポカリスエットが置かれていました。

 「あれ?」

と思ったその瞬間、ベットの周りのカーテンがいっせいにバサっと開きました。

彼は恐怖に襲われ思わず眼をぎゅっと閉じました。

どれだけ、長い時間目を閉じていたのでしょう…一瞬のことだったのかもしれません。

彼は、ふたたび眼を開けました。

 「!」

その目の前には頭に激しい怪我を負った女の人の顔がありました。

女は寝ている彼の真上に平行に浮いていました。

それは表紙いっぱいに載ってる女性の写真を目の前に突きつけられた感じだったそうです。

髪の毛も垂れ下がってない、流れている血も落ちてこない、
動きの無い写真のように…緑色の顔色で彼を見つめていました。

彼は恐怖のあまり気を失いました…。

気がついたとき彼は車椅子に乗っていました。

車椅子は、誰かに押されているのか、ゆっくりと廊下を進んでいました。

彼は、咄嗟に振り向こうとしましたが、全身に痛みが走り身動きが取れません。

何に押されているのか、分からないまま車椅子ゆっくりと廊下進んでいきます。

そのうち廊下の鏡の前を車椅子が通り過ぎました。

鏡には先ほどの女が、足を引きずりながらゆっくり車椅子を押している姿がありました。

 「う、うわ~~~~~っ! 助けてェーーーー!」

と彼は泣き叫びました。

しかし、一向にだれかが助けに来てくれる様子はありません。

そして、車椅子が階段へとさしかかると、女は車椅子を階段から落としました。

 「!」

ガタンッ!ガタンッ!ガタンッ!ガタンッ!…

車椅子は音を立てながら、彼を乗せたまま階段の下へと転げ落ちてゆきました。

彼は、再び気を失いました…。

目がさめると、むき出しのコンクリートの壁に囲まれた部屋のベットの上でした。

ひんやりとした、暗い部屋でした。ふと、気づくと彼の横にもベットがあります。

薄暗い中、横のベットを見ると誰かが寝ています。

それは、包帯を巻かれたあの女が横になっていました。

 「う、うわ~~~~~っ!」

彼は有らんばかりの大声で叫びました。

しばらくすると、その声を聞きつけた白衣を着た医者と思われる人達が駆けつけて来ました。

そして、彼を抱きかかえるとその部屋から、運びだしてくれたそうです。

彼が助け出されたときには、既に翌日になっていました。

当然、家族はひとりでは動けないはずの彼がいなくなったため、警察も呼ばれていました。

 「なぜ、あんなところに?」

彼は泣きながら、自分に起こった出来事を話しました。

しかし、結局誰にも信じてもらえませんでした…。

その後、彼は病院を移ることとなりました。

       ※       ※       ※

彼が助け出された部屋は、その病院の「霊安室」でした。

そして、例の女性は彼が奇妙な体験をする前の日に、交通事故で亡くなった方だったそうです。

彼女は寂しさのあまり、彼を一緒に連れていこうとしていたのでしょうか。

彼はこの話をしながら、私にこう言いました。

「幽霊は人を殺せる…」

 

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