1: 以下、名無しにかわりまして裏島哲郎がお送りします:2004/04/04(日) 04:44:44.44 id:Ur4Ma6T
漏れは夜中に散歩するのが好きなんだ。
見たことない場所を歩いてるのってなんとなくいいものじゃない?
あと健康にもよさげだし。
最初は家の近所を散歩してたけど、やっぱり飽きた。
家の近所の風景なんて変わるもんじゃないしな。
だから、車に乗って適当な場所に止めて散歩をするようにしたんだ。
そんなある日、漏れはまた夜の散歩を楽しんでいた。その日は河原に行ってた。
しばらく歩き回り、いい感じで汗もかいて車に戻ろうとした。
とぼとぼ河原を歩いてると、なんだか不安になってきてさ。
漏れってすげー怖がりなんだ。
怖がりなのに夜中の散歩とか矛盾してる感もあるけど。
まあとにかく不安になって、後ろを振り向いて誰かいないか確認したのさ。
そしたら、いた。
黒く長い髪を振り乱した女が、こっちに向かって走ってきてた。
焦点の合わない目。
口は何かぶつぶつ呟いてる。
漏れは一瞬唖然とした後、全力でダッシュで逃げた。
半べそかきながら、ダッシュしつつ後ろを確認すると、追ってきてる。
焦点のあってなかった目も今や漏れにばっちり合わせてる。
漏れも全力疾走で逃げつづけた。車が見えてきた。
少し迷ったが、すぐ車に乗り込みエンジンをかけた。
発進するまでの間、女が車に何かしてくるんじゃないかと気が気でなかったが、
どうにか車は発進することができた。
車を急発進させ、急いでその場を離れる漏れ。
バックミラーをびくびくしながらチラチラ覗き見るが、女はついてきていない。
少し安心しながら運転していると、前方にいた。
髪を振り乱し、漏れの向かっている方向と同方向に走っていた。
漏れはまたしても半べそで、急いで女を抜き去った。
すると、前方から抜き去った筈の女がまた現れるんだ。
そうして何度も女を抜き去っているうちに、家に着いた。
漏れは大至急車を駐車し、速攻2階の自分の部屋に逃げ帰った。
着替えて即寝ようとしていると、外から足音が聞こえてくる。
よせばいいのに、自分のテリトリーに戻った安心感からか漏れは外を覗いちまった。
あの女が家の前を走っていた。
左の路地から右の路地へ走っていき、
見えなくなったかと思えばまた左から右へ走っていく。
何度も何度も。
漏れは布団をかぶって震えながら眠りについた。
その後変な事は別に起きてない。ただそこにも2度と行ってない。

傍目にはシュールな光景だけど、
当事者になったら発狂モンだろうね…
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