1: 以下、名無しにかわりまして裏島哲郎がお送りします:2004/04/04(日) 04:44:44.44 id:Ur4Ma6T
先日、友人を一緒にレンタルビデオ店で洋画のビデオを借り、私の家で酒を飲みながら
鑑賞会をしたときのことです。
10数本借りたうちの数本目のビデオに、奇妙なモノがうつってました。
30分ほど鑑賞していましたが、突然画像が荒れ始め、すぐあの砂のようなノイズ映像に
なりました。
「なんだこりゃ・・・、テープが絡まったか、上書きされたか」
と友人が言っていたら、ほどなく別の映像が映りました。
テープトラブルか?と思いきや、それまでの洋画とは全く違う映像です。
先ほどまでの美しい映像とは一変した、明らかに安物のホームビデオで下手糞が撮影した
レベルの荒い画像です。
荒れたコンクリートの壁だけが映っていました。
廃墟のような場所で、どこかの一室のようです。
壁にはなにやら張り紙が。
ビデオが近づきその紙をアップにします。
ビデオの映し出した張り紙には
「この先、何があっても、決して画面外、特に後ろは見てはならない。
もしこの禁を破った場合、貴殿の身の安全は保障しない」
と書いてありました(画像が荒いので何とか読み取れるレベルです)。
どうやら、前借りたアホがビデオの上書き防止ツメにテープを貼るなりして、
ホームビデオの画像を上書きしたようでした。
しょうがないので、ビデオを取り出して文句を言いに行こうと立ち上がった瞬間、
「ばある」
と滑舌の良いはっきりした子供の声がしたんです。
「何か言った?」と友人に聞きましたが友人は首を振るだけ。
私はなぜか「後ろは見てはならない」という言葉が気にかかり、
画面から目が離せませんでした。
「聞こえたよね?」と私が顔を動かさずに言うと「気のせいだよ」と彼。
が、今度は天井の方から
「ばある」
というさっきと同じ声がして、続けざまに隣に座ってい彼の後ろの壁、
私の足元と同じ声が・・・。
今度は彼も聞こえたらしく辺りや後ろを見回しましたが、それでもその最中に
「ばある」 の声。
ビデオがゆっくり後ずさりして、視点が廊下に出ました。
そのまま視点が回転を始め、辺りの部屋を映しました。
撮影者のいるところは、八角形の小さなホールのようで、それぞれの壁に部屋が
一つずつありました。
全ての部屋にドアはなく(取り外されたような跡あり)、部屋もホールも空っぽです。
剥き出しの薄汚れたコンクリートだけが見えます。
部屋は全て同じ間取りのようでした。
そのまま16回ほどカメラは回転していました。
が、一部屋だけなんとなく他と雰囲気の違う部屋がありました。
何処が違うというわけでもなく、なんとなく、です。
私がそれを自覚してまもなく、カメラがその部屋に向かいました。
その部屋に入って、ふと、その部屋の廊下が、他の部屋より1~2m位短いことに
気づきました。
しかし、なぜ短いのだろうかと思っていると、カメラの視界の端から、にゅっと、
棒が突き出て、廊下の突き当たりの壁を叩きました。
スイカを叩いたときに似た妙に空虚な音です。
どうやら本来の壁と、今叩いている壁との間に空間があるようです。
気になっていると、ふいにカメラがバックして、小型の粉砕機が画面に入り、
壁を壊し始めました。
上半分の壁が壊れて、真っ暗な狭い空間の向こうに本来の壁らしきものが見えます。
その空間の壁一面にびっしりと赤いクレヨンで
“ありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうありがとう・・・・”
と書かれています。
粉砕機が、さらに上部分を壊すと、今度はなにやら図形が見えてきました。
ビデオはその図形をアップにしました。
壁にはにはサインペンで手書きの地図のようなものが描かれていました。
ビデオを借りたビデオショップの写真が中央に貼ってあり、そこから3つ先の駅から
道が伸びており簡略に描かれた道を順にたどって行くとある道の傍らに斜線で記された
場所があり、そこに矢印がしてあってその横に「ココ」と小さく書いてありました。
そして、粉砕機は壁の下半分を取り壊しにかかりました。
すると、なにか塊らしきものがみえてきました・・・
が、映像はそこでぷつんと途切れました。
かわりにレポート用紙が映し出され、
「テープ内部に鍵同封」
ビデオの映像は元の洋画に戻りました。
彼がビデオのねじを外して、中身を開くと、テープのタイトルの裏あたりに、
何やら家の鍵らしきものがテープで貼り付けられていました。
同時にものすごく恐くなり、そのビデオに鍵を戻してすぐにレンタルビデオ店に
返却しようと言いました。
もちろん、その地図の場所に行ってみようなんて気にはとてもなれません。
しかし、彼は興味を持ったらしく、その鍵とビデオテープを持って出かけました。

VHSのダビング防止ツメ部にセロテープ・・・
あれ、目から水が・・・

ちなみにバアルはカナン地域で信仰されてた嵐と雷雨他を司る神様です。
尊敬と畏怖を込めて、バアル・ゼブル(気高き王)と呼ばれました。
後にカナンに侵攻したヘブライ人が既に信仰されている神を嫌い、バアルを邪教神だ、と貶めてバアル・ゼブブ(ハエの王)と呼ぶようになりました。
キリスト教が広まるにつれ、やがて悪魔の王と同意になり、ベルゼブブとも呼ばれる全く別物になりました。
上記の物語と関係あるかは知りませんが。
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