772 :プリン 1/3:02/11/18 23:49
これは、以前付き合っていた女性が小学校2年生のころに体験した話です。
その日彼女は、午後三時ごろ学校から帰宅しました。
当時、彼女は公園に面したアパートの二階に住んでいました。
いつもなら母親がいるはずなのですが、この日は買い物にでも出かけているのか、家にはだれもいませんでした。
当時の彼女の家は、玄関を入ってすぐのところに、ダイニングキッチンがあり扉を隔てて居間が、さらにその奥には寝室となっている和室がありました。
彼女は冷蔵庫にプリンがあることを思いだし、台所で食べ始めました。
そこへ、階段を上がってくるカカトの高い靴を履いた足音が聞こえきました。
彼女は、母親が帰ってきたと思ったそうです。
彼女の一家が住んでいた階では、彼女の母親が女性としては一番若かったため
そういったカカトの高い靴を履いているのは、彼女の母親ぐらいだと彼女は思っていたためです。
彼女は母親にイタズラをしてやろうと思いつきました。
計画は、母親がメイクを落とす寝室の押し入れの中に隠れ、頃合をみて飛び出して驚かすというたわいもないものでした。
773 :プリン 2/3:02/11/18 23:50
外の廊下を歩く人物が、台所の窓に映りました。
髪を肩ぐらいで切りそろえた女性だったそうです。
ちょうど、彼女の母親と同じ髪型の。
彼女は母親に間違いないと確信し、急いで寝室の押し入れの下の段に隠れました。
廊下を歩く足音は彼女の家の前で止まり、家の中に入ってきました。
彼女は、母親の驚いた顔を創造して笑いがこみ上げてくるのを我慢していました。
ただ、台所に食べかけのプリンを置いてきてしまったことを後悔していたそうです。
彼女が学校から帰って来ているのがばれてしまうと、いたずらの効果が減ってしまいそうな気がしたからです。
足音の人物は家の中に入ってきても、なかなか寝室までは来ませんでした。
どうやら、台所と居間をうろうろ歩いているようです。
彼女は母親が買ってきたものを片付けているものと思っていました。
しばらくしてから、足音はやっと彼女が隠れている寝室までやってきました。
彼女は、母親が押し入れの真ん前に来てから飛び出してやろうと決めていました。
しかし足音は寝室に入っても落ち着かずうろうろと歩き続けていました。
目的を持っているわけではなく、ただ歩いているという感じだったそうです。
774 :プリン 3/3:02/11/18 23:51
足音がやっと押し入れの前まで来ました。
彼女は、大喜びで飛び出しました。
しかし、そこには誰もいませんでした。
彼女は急に怖くなって、そのまま家を飛び出しました。
彼女は家の前の公園で、本物の母親が帰ってくるのを待とうと思いました。
その公園からは、家の玄関が見えるので母親が帰ってくれば直ぐわかるからです。
日がだいぶ傾き始めてから、母親が帰ってきました。
彼女は、母親を追って家に入ると、本物の母親に泣きつきました。
そして、さっきあったことを話したのですが、母親は笑い流すだけでした。
その上、戸締りをせずに家を空けたこと、プリンの空の容器をそのままにしていたことを叱られてしまいました。
彼女は、あることに気づきました。
プリンが全て食べられているのです。
彼女が押し入れに隠れたときは、確かにまだ半分以上残っていました。
母親の話ぶり(「空の容器」を捨てなかったことを叱ったこと等)を聞く以上母親が食べたとは思えません。
この体験を話した後、彼女は
「多分あれは幽霊だったんだと思う。だとしたらプリンを食べたことがショックだった。イメージと違い過ぎる。もう少しそれらしい食べ物があるじゃない」
と言っていました。
おわり

人の食べかけのプリンを食べるのか・・・
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