1: 以下、名無しにかわりまして裏島哲郎がお送りします:2004/04/04(日) 04:44:44.44 id:Ur4Ma6T
こないだあった話。
ちょっと長いがごめん。
登場人物は全員♀。
こないだの夜友人Aと会う約束をしていたんだが、待ち合わせの時間間際に電話が来てキャンセルされた。
理由を聞くと、Aの友人Bからついさっき電話があり、とても怖いことがあり今夜は自宅に帰りつけそうもないので泊めてほしい、事情は着いてから話す、と言われたらしい。
Bの様子が鬼気迫る感じで只ならぬ雰囲気だったそうで、二つ返事で承諾したそう。
なので私もそれなら仕方ないとOKした。
後日Aから顛末を聞いたんだが、ぞっとした。
以下、AがBから聞いた話。
Bはその日、友人Cを伴って南隣の県にドライブに出かけていた。
夕刻までウロウロし、帰路に就いた。
私たちの住む県と南隣りの県の県境には、結構長いトンネルがあり、行き来する者は大抵そこを通る。
B一行も例にもれず、帰りにそのトンネルを通った。
Bの車で行ったため運転もずっとB。
ダッシュボードの上には、Bの携帯が置かれていたそう。
一番長いトンネル(トンネルは切れ切れにいくつもある)に入ってすぐ、Bの携帯が鳴った。
CはBに「出ようか?」と聞いたが、「後で見るしいいよ~」と放置。
でも、携帯は留守電になることもなく、延々鳴り続けている。
Cがもう一度、「やっぱ出る?」と聞くと、「…じゃあお願いしようかな」とB。
ディスプレイを見ると、発信者名『非通知』の文字が。
Cは「非通知だ…」と呟きながら通話ボタンを押した。
その瞬間、Bの顔が強張った。
「もしもし? Bの携帯です。Bは今運転中なので…」その辺まで言いかけて、Cはあれ?と耳から携帯を離した。
Bは強張った表情のまま、Cに「非通知だったの?」と尋ねる。
Cは、「…うん。そうだけど何も言わないで切られちゃった」と返事。
Bがそこで一言「…私非通知拒否ってるんだけど…」
そこで二人は軽いパニックに陥ったらしい。
でも山間部だしトンネルだし、何らかの電波異常のようなものが起こったんじゃ、なんて二人で話しているうちに、また、Bの携帯が鳴った。
トンネルはまだまだ終わりそうにない。
怖いのでずっと放置していたが、着信音は一向に鳴りやまない。
しびれを切らしたCがもう一度携帯を手に取って画面を確認すると、またもや『非通知』の文字が。
しかし、Cが戦慄したのはもう一つの事実に気づいてしまったからだった。
画面の電波マークは消え、『圏外』の表示がなされていた。
Bはとても怯えて鳴りやむまで放置しようと言ったが、Cは度胸のある子で、きっと何かの間違いだから出てみようと提案した。
遠くに、トンネルの出口も見え始めた。
渋っていたBが承諾し、再びCが電話に出てみることに。
意を決し通話ボタンを押し、携帯を耳に押し当てる。
何も聞こえない。
Cが「もしもし?」と問いかけると、かすかに、何かボソボソという呟きのようなものが聞こえる。
もう一度「もしもし? どなたですか?」と問いかけると、今度ははっきり、女性の声で
「トモダチニナッテ」
その瞬間、トンネルが切れた。
右手は落石防止のフェンスに覆われた山裾。左手は勾配の急な斜面をガードレールが守っている。
BとCは見たのだそうだ。
トンネルを出てすぐの街灯の奥、ガードレールの向こう側に、赤っぽい服を着たセミロングの女性が立っているのを。
携帯はもう切れていて、そのあと鳴ることはなかった。
二人は半狂乱になって家路を急いだが、そこから自宅のある地域まで、まだ二時間近く車を走らせなければならない。
辺りは夕闇に飲まれ、街灯も少ない。
とても恐ろしくてこれ以上運転できないというので、Aに連絡が来た、ということだったらしい。
話はこれで以上です。
長文駄文すみません。
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