1: 以下、名無しにかわりまして裏島哲郎がお送りします:2004/04/04(日) 04:44:44.44 id:Ur4Ma6T
あと10分ほどで真夜中になるという時間帯に、私は特急電車に乗っていた。
やがて、途中の駅で一人の男が乗り込んできた。
その男は、電車のドアが閉まると、突然我に返ったように乗客の顔を見回し始めた。
「すみません。あなたの年齢は28歳ですか?」
男が私に話しかけてきた。
「そうですが、どうしてわかったんですか」
私が聞き返しても、男は無視して、また別の人に話しかけた。
「あなたの年齢は45歳ですか?」
「そうですけど……」
「あなたは62歳ですね?」
「どうしてわかったんだ?」
そんなやり取りを繰り返していく。
どうやら、その男には、顔を見ただけで年齢を当てる特殊能力があるらしい。
次の停車駅までは、まだ15分以上ある。
私を含め、乗客たちは全員その男に注目し始めた。
「あなたは50歳ですね?」
「そうですが、あと5分で日付が変わったら、51歳になるんですよ」
最後に質問された女性は、笑顔でそう答えた。
年齢を当てていた男の顔が、その途端に青くなった。
「凄いですね。百発百中じゃないですか」
私は男に話しかけた。
すると、男は青い顔を私に向け、こう言った。
「・・・私が見えているのは貴方がたの寿命です」
50歳の女性が「あと5分で日付が変わったら、51歳になる」と言っているため、全員が5分以内に死んでしまう。
次の駅まで15分以上。逃げることはできない。
寿命が見える男は、乗った電車の乗客の寿命が今現在の姿と変わらないことに気付き、全員の年齢を確認したのだろう。
そして、あと5分で51歳になるという女性の寿命が「50歳」であることが見え、男は自分たちがあと5分以内に死ぬことを知った。
次の駅まで15分以上。逃げることはできない。
寿命が見える男は、乗った電車の乗客の寿命が今現在の姿と変わらないことに気付き、全員の年齢を確認したのだろう。
そして、あと5分で51歳になるという女性の寿命が「50歳」であることが見え、男は自分たちがあと5分以内に死ぬことを知った。
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