クリスマス当日は、一人暮らしの私の家か実家の彼の家かどちらで過ごそうか話している時、何故か妙に病気の彼父の事が気になった→そして結局私の家で過ごすことになったんだが…

1: 以下、名無しにかわりまして裏島哲郎がお送りします:2004/04/04(日) 04:44:44.44 id:Ur4Ma6T

目に見えないものなんて信じていなかった私が体験した不思議なお話です。

社会人になって3年目の冬、当時お付き合いをしていた彼とクリスマス当日は彼の家か私の家かどちらで過ごそうかと相談をしていました。
彼は実家でお父さんと2人暮らしをしており、私は1人暮らしをしていました。

1人暮らしということもあり私の家にしようかとまとまりかけていたのですが、彼のお父さんの調子があまり良くないことを知っていたので私は少し心配をしていました。

私は彼に「まだお父さんの調子悪いみたいだし、家にいてあげなくても大丈夫かな?」と聞いてみました。
彼は「元気だし大丈夫だと思うよ」とあまり気にしていないようだったのでそんなに重病ではないのかなと少し安心しました。

でもなぜか私は妙に何か引っかかるものがあり、彼に「そっちの家でも全然いいんだけどな」とボソッと言うと彼は「そんなにうちが好きなのかよ!まあどっちでもいいけどね!笑」と笑っていました。
そしてイブは私の家で過ごすことになりました。

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イブ当日、2人で駅近くのイルミネーションをみながら散歩をしたり、買い物をしたりして過ごし夕食に合わせて私の家に帰ってきました。
ピザにチキンにケーキで、ザ!クリスマスな夜を過ごしお父さんの事などすっかり忘れて楽しんでいました。
0時を回る前にはお腹も満たされ遊び疲れ2人で寝ました。

翌朝のクリスマス、早朝に彼の携帯が何度も鳴っていて目が覚めました。
彼は全く起きる気配がありません。
それでもずっと鳴り続ける携帯。
さすがに鳴りやまなかったので、ふと「彼のお父さんに何かあったのかな」と頭をよぎりました。

そして彼を起こし「お父さんに何かあったんじゃないよね」と私は彼に言いました。
彼はパッと目を覚ますと落ち着いてはいましたが「まさかなぁ」と寝ぼけながら携帯をみました。
どうやら妹からの連絡だったようで、電話をかけ直しながらキッチンの方へ行き煙草を吸いはじめました。

キッチンの方から「なんだよどうしたのこんな早くから」と彼の話声。
すると「え!噓だろ!」と急に声が大きくなり何か焦りはじめ煙草を消す彼。
「分かったすぐ行く」と言って電話を切った様子。
彼は寝室に歩いてきながら目に涙をため私に「親父が死んだ」・・・・そう言いました。

「うそ・・・」私は驚き、ショックをどう表していいか分からなかったので彼をハグして一緒に悲しみました。
妹さんがたまたま実家に帰ると部屋で亡くなっていたお父さんを発見したようでした。

彼はこれから実家に戻るということで話もほとんどしないまま急いで車で駅まで送りました。
「落ち着いたら連絡して」そう伝え車から降りて力なく歩いていく彼の後ろ姿を見えなくなるまでみていました。

その後帰宅し、前日の片づけをしながら思いました。
この楽しんでいた時間に彼のお父さんは助けを求めていたのかもしれない、やっぱり彼の家で会うべきだったんだ。

後悔しても遅いのに悔みました。
きっと彼も今向かいながら同じ気持ちなんだろうと思いました。

それから数日が経ち葬儀が終わると彼から連絡がきました。
「とりあえずひと段落した」私はなんと声をかけていいのか分かりませんでしたが「大丈夫?」と聞くと「大丈
夫だよ」と返ってきました。
私はホッとしました。

またそれからしばらく経ってから久しぶりに彼と会うことになりました。
「こういう時ってどんな顔をして会えばいいんだろう」そんなことばかり考えていました。
彼が待ち合わせ場所に現れると思ったよりも元気で安心しました。
「なんかごめんね」私はなんとなく謝らないと気が済まなかったので謝りました。
「謝ることじゃないよ」と彼は言いました。

その日は彼の家の近くで食事をしてそのまま彼の家に泊まりに行くことになりました。

ここで私は驚きの体験をすることになったのです。

彼の家に入るとお線香の香りがしました。
「おじゃまします」何度も遊びに来たことはあったのですが、彼のお父さんは体調が悪くいつも部屋で寝ていた為まだ一度も会ったことはありませんでした。
遺影がちょうど親族の家にあるようでこの日も顔を見れず、お線香だけ上げさせてもらいました。

「初めまして、息子さんとお付き合いさせもらっています。挨拶が遅くなりました。この度はすみませんでした。」と私はまた申し訳ない気持ちがこみあげてきたので、手を合わせながら心の中でそう言いました。

それからしんみりとした雰囲気を明るくしてくれようと彼はいつも通りの感じで「じゃ、部屋でゲームでもしようぜ!」と私の肩をたたきました。
そのまま彼の部屋でしばらくゲームをしていましたが、暖かい電気カーペットに眠気を誘われ寝落ちしてしまいました。

翌日、暗幕カーテンのからうっすらと外が明るくなっているのが見え朝なのを確認しました。
そしてすぐに「なんか見られている感じがする・・・」ふと寝ぼけながら私はドアの方を見ました・・・

「キャーーーーーーー」

私はとんでもない声で叫びました。

・・・ドアが少しだけ開いていたのですがその隙間から男性が物凄い形相で私を睨みつけていたのです。

「誰かいる!誰かいるー!」悲鳴をあげて訳の分からないことを言っている私。
彼も飛び起きて「どうした!なにがあった!?」とパニックです。
私はしきりに「ドアの所から誰かが見てる!」そう言いました。
彼はドアまで行き何故か少し開いている扉を全部開け、人がいないことを確認してくれました。

「誰もいないよ」彼のその言葉を聞いてようやく私はドアの方に目を向けました。
見ると確かに誰もいませんでした。
私は落ち着いてこんな感じの男の人だったんだよと言いました。
そして「もしかしたら彼のお父さんだったのかもしれない」そう思うと、何でもいいから彼のお父さんの顔が確認できる写真が見たいと彼に言いました。
彼は「分かった」と別の部屋に行き写真を探してきてくれました。

そして見せてもらうと・・・・「!!!」

「この人だ。やっぱり彼のお父さんだったんだ。」

ドアの隙間から覗いていたのは彼のお父さんだったのです。
きっと何かを伝えたかったのだろうと思いました。
怒っていたあの顔はやはりあの日私と彼が会っていたからなのだろうか、それとも他に何か伝えたいことがあったからなのだろうか。
彼は「関係ないよ」と言ってくれました。

その事件があってから少し彼の家に行くのが怖くなっていたのですが、しばらく経つとまた普通に遊びに行くようになっていました。
ですが10年以上たった今もクリスマスになると「あれはいったい何を伝えようとしていたんだろう」と思い出します。

これが私の体験した不思議なお話です。

 

管理人
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きちんと挨拶も出来てなかったみたいだし、

誰だ君は ってなってたんじゃない?

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