近所のおじさんの家が取り壊されると聞いたので

奇妙な話、不思議な話

118: 本当にあった怖い名無し:2017/07/12(水) 16:30:05.12 ID

そういえば最近、昔のことを思い出すことが多くなりました。特に、中学生だった頃のことがよく頭をよぎるのです。30代になった今、あの時のことを振り返って整理してみたくなりました。記憶の中でどうしても気になる出来事があったので、そのことをここに書き留めておこうと思います。

私が14歳だった1990年代半ばのことです。実家は町外れの古い家で、周囲はのどかで静かな環境でした。しかし、私たちの町には一人、異様な雰囲気を漂わせるおじさんが住んでいました。おじさんは50代後半から60代前半で、町の端っこにひっそりと住んでおり、普段はほとんど外に出ることもありませんでした。いつも陰気な雰囲気で、子供の私たちからすると、近寄りがたい存在でした。

119: 本当にあった怖い名無し:2017/07/12(水) 16:45:32.46 ID

ある日の夕方、学校が終わった後、私は少し好奇心からおじさんの家に行ってみることにしました。おじさんの家は町の外れにあり、少し歩くと着く場所でした。普段からおじさんが外に出ているのは珍しかったのですが、その日は庭でぼんやりと立っている姿が見えました。

私は一歩踏み出し、「こんにちは」と声をかけました。おじさんは一瞬驚いたような顔をしましたが、すぐに冷たい微笑みを浮かべて「どうしたの?」と聞いてきました。そのまま会話が続き、「家の中を見ていってもいいよ」と言われました。少し不安に感じながらも、断る理由もなくおじさんの家に入ることにしました。

120: 本当にあった怖い名無し:2017/07/12(水) 17:00:45.23 ID

おじさんの家に入ると、そこはとても古びた家で、薄暗い照明が点いていました。リビングに入ると、そこには奇妙な人形が所狭しと飾られていて、まるで異世界に迷い込んだような気分になりました。それぞれの人形は異様な表情をしており、何とも言えない不安感を呼び起こしました。

おじさんはその人形たちについて「これらは私が昔集めたものだ」と説明しましたが、その語り口調にはどこか陰気な雰囲気が漂っていました。私はただただおじさんの言葉を聞くしかなく、家の中を見ているうちに、ますます不安が募っていきました。

121: 本当にあった怖い名無し:2017/07/12(水) 17:15:30.35 ID

おじさんとの会話が終わり、家を出ようとしたとき、おじさんが突然「君の家には注意したほうがいいよ。何か変わったことがあったらすぐに言ってきなさい」と言いました。その言葉には、ただの警告とは思えないような暗い意味が込められているように感じました。私はそのまま帰路につきましたが、家に帰ると奇妙なことが続々と起こり始めました。

家の中で物が動くことが増え、夜中には誰かが歩く音が聞こえるようになり、さらに恐怖感が増していきました。ある晩、深夜に激しいノックの音で目が覚め、恐る恐る外を見てみると、そこには誰もおらず、ドアの前には恐ろしい表情の人形が置かれていました。その人形を見た瞬間、心臓が激しく打ち、怖くてどうしようもなくなりましたが、警察に相談する勇気もなく、そのまま放置してしまいました。

122: 本当にあった怖い名無し:2017/07/12(水) 17:30:42.59 ID

それから数日間、家の異変が続きましたが、やがて引っ越しをすることになり、その恐怖から解放されました。しかし、おじさんが言っていた「君の家には注意したほうがいい」という言葉がずっと心に残っていました。新しい家でも特に問題はなくなりましたが、おじさんの家が空っぽになったことや、その後の人形のことを思い出すと、今でも怖い気持ちがよみがえります。

後に、おじさんの家が取り壊されると聞きましたが、解体作業中に見つかったのは、奇妙な人形のコレクションでした。それらの人形はどれも不気味で、私が見たときの恐怖が一層強く感じられました。おじさんが何を隠していたのか、そしてあの言葉の本当の意味が何だったのかは今でも謎のままです。

あのときのことをこうして話すことで、少しでも気持ちが整理できたらいいなと思っています。子供のころに体験したことが、今もなお心に残り、時折思い出すたびに怖い気持ちが蘇るのです。以上が、私の近所のおじさんにまつわる奇妙な話です。

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