真夜中の電話

短編

夏子はある晩、疲れて早く寝ることにした。夜中の2時頃、突然スマートフォンが鳴り響き、彼女は目を覚ました。画面には知らない番号が表示されていた。夏子は迷ったが、電話に出ることにした。

受話器から聞こえてきたのは、かすれた声だった。「後ろを見て…」その言葉を聞いた瞬間、夏子は身体が凍りつくような恐怖を感じた。振り返ることができない。心臓が激しく鼓動し、冷や汗が流れる。恐る恐る振り返ったが、そこには何もなかった。

安堵しながらも再びベッドに戻ろうとしたその瞬間、再びスマートフォンが鳴った。同じ番号からだった。彼女は震える手で電話に出た。今度は、さらに冷たい声が響いた。「見えないかもしれないけど、今も見ているよ…君のすぐ後ろでね。」恐怖に耐えきれず、夏子はその夜、一睡もできなかった。そして、その電話は毎晩同じ時間にかかってくるようになった。

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